新型コロナウイルスを完全に克服するには、年単位の時間を要すると言われている。
ここではコロナショックの長期化を前提に、未曾有の投資環境を乗り越えるべく、ブレない投資戦略・銘柄選定基準を練りたい。
すべての銘柄は、以下のいずれかのグループに分類できる。
- コロナで悪影響を受けるグループ
- コロナで業績を伸ばすグループ
- コロナの影響がほとんどないグループ
以下、各グループの特徴や投資スタンス、買いのタイミングを考察する。
1.コロナで悪影響を受けるグループ
コロナが収束すれば、最も大きく上昇すると目されているグループだ。
このグループの特徴は、1Q(1-3月)の業績悪化が大きく、かつ今期業績予想を出せない企業が多いこと。
このグループの企業の株は、基本的に買いは見送るべきだ。
なぜか?
それは以下のような点から、不確実性が高すぎるからである。
- 悪影響を受け続ける期間や、その大きさを予見できない
- コロナ収束前に倒産する可能性を排除できない
- 収束後に、これまでのビジネスモデルがなお通用するのか分からない
このように不確実性が高く、業績予想もない以上、
ファンダメンタルズを評価できない=ファンダメンタルズで買えないのである。
どれだけ割安にみえても、このような銘柄を買って回復を待ち続けるのは、ギャンブルの域を出ないだろう。
仮に感染第2波に見舞われれば真っ先に急落し、3月の安値を更新するだろう。
買いのタイミング
このグループを買えるケースがひとつだけある。
それは、ワクチン・治療薬の完成が現実味を帯びてきたときだ。
そのときには、最も悪かったものが、最も上昇するだろう。
そのときを除いては、手出し無用だ。
2.コロナで業績を伸ばすグループ
テレワークや遠隔医療、デリバリー、ワクチン・治療薬関連など、コロナによる社会の変化が、業績の追い風となるグループだ。
このグループに属する銘柄のほとんどは、おそらく既に上昇しているだろう。
このグループの企業の株は、買うに値するものがある。ただし、選別が必要だ。
なぜか?
それはこのグループが、以下の3つに更に細分化されるからである。
- 業績は上がったが、一過性(特需)で終わってしまう銘柄
- 期待されたほど(株価が織り込んだほど)業績が伴ってこない銘柄
- 業績が市場の期待をクリアし、さらに中長期的な成長も見込める銘柄
この観点からふるいにかけ、本物を見極めなければならない。
買うべきはもちろん3番目だ。
問題は、買いのタイミングを計るのが非常に難しいことだ。
買いのタイミング
買うべき本物の銘柄は、なかなか安くならない。
だからこそ、安くなるのを待つ必要はない。
本物と言える銘柄ならば、決算発表をクリアし、チャートは上昇トレンドを描いているはずだ。
言い換えれば、ファンダメンタルズ面でもテクニカル面でも、もはや障害がない状態にある。
このような本物が見つかったならば、まずはすぐに打診買いを入れるべきだ。待つ必要はない。
その後はテクニカル分析を駆使するなどして、複数回に分けて買い増していくのが賢明だろう。
3.コロナの影響がほとんどないグループ
このグループは、地味で目立たないものが多いだろう。
業績に大きな影響がない=決算発表でポジティブ/ネガティブサプライズがない、ということだから当然だ。
これは通常であれば注目する理由はないが、今回は違う。
コロナ禍で多くの企業の業績が悪化するなかにおいては、輝く原石だ。
このグループの企業の株が、最も妙味があるかもしれない。
このグループはその地味さゆえに過小評価が続き、成果が出るまでには時間がかかる可能性がある。
年4回の決算発表を除いて、着目されるタイミングはほとんどないかも知れない。
だがその分、じっくりとタイミングを見極め買っていくことができる。
買いのタイミング
買い時は、コロナ懸念で相場全体が大きく下落するときだろう。
ポイントは、業績への悪影響がないにも関わらず、売られるということだ。
ファンダメンタルズが不変の中で株価だけが下がるのなら、これほど安全な買い場はないのである。
そして、時の試練を耐えた暁には、大きな果実を手にするだろう。